ドイツゴサイコウ

ドイツ語の仕組みについて再考するブログ

【ドイツ語の敬意表現】メール上達のコツ

みなさんこんにちこんばんは。今回のテーマは、ドイツ語を勉強している人・日常的に使用している人なら一度は頭を悩ませたことがあるであろうドイツ語の敬意表現についてです。今日はその中でも特にメールにフォーカスを当てていこうと思います。これはドイツ語で、俗にE-Mail-KniggeやNetiquetteと呼ばれるものです。

 

どの国の言葉でもそうですが、一番大切なのは、基本の型を覚えることです。最初は全然馴染みのなかった表現も、日常的に使用することでなんとなく感覚がつかめてきます。ドイツ語のメールの構成(Aufbau)は、日本語と同じように、大きく分けて宛名、本文、挨拶の三つに分かれています。

 

宛名(Anrede)に多いのは、

  • Sehr geehrte Frau 苗字/ Sehr geehrter Herr 苗字,
  • Liebe Frau 苗字/ Lieber Herr 苗字,
  • Liebe 名前/ Lieber 名前,
  • Hallo Frau / Herr 苗字,
  • Hallo 名前,

です。見識がない人に対して送るメールで一番スタンダードな始め方は、一番上のSehr geehrte Frau / Sehr geehrter Herrです。私の周りでは、相手を知っている場合、フォーマルな関係でもLiebe Frau / Lieber Herrを使う人がほとんどです。苗字ではなく名前を使うパターンですが、これは仕事でお互いduを使うことを決めてある場合に使います。職場・人によってLiebe / Lieber を使う場合と Hallo を使う場合があります。苗字・名前の後に打つコンマを忘れないようにしましょう。

一つ気を付けたいのは、称号(Titel)です。ドイツでは、博士(Dr.)や教授(Prof.)というのは名前の一部で、これに重きを置く人も多いと言われています。大学の教授や先生にファーストコンタクトを取る際は、特に気を付けてください。

「様」や「先生」の一単語で片付く日本語と違って悩むことも多いですが、向こうが使ってきた宛名と同じものを使うと基本的には恥をかくこともありません。

 

本文(Hauptteil)は、日本語と同じようにまずは導入(Einleitung)から始めて本題(Hauptteil)に入ります。相手のメールに返信するときには、形式的に

  • vielen Dank für Ihre Nachricht
  • vielen Dank für die Information

など、先方のメールの内容に合わせた謝辞から始めることが多いです。

自分からメールを始める際は、テーマを簡潔に述べます。その時よく使われる表現は、

  • bezüglich (~に関して)
  • aufgrund von (~という事情により)
  • da (~のため)

などが多いです。これには非常に様々なバリエーションがありますが、一つの表現を暗記してしまえば、何度でも使いまわすことができるので便利です。一般的に、メールの書き出しをich で始めることはなるべく避けましょうという風潮があります。

本文の書き出しには一つだけ落とし穴があるのですが、それは書き出しは必ず小文字で始めるということです。これは、一文目が宛名で始まっており、文の途中で大文字を使う必要がないからです。メールアプリでは勝手に一文目を大文字にされることが多いので、しつこく修正しましょう。

また、ファイルを添付する際には、Anbei finden Sie ... / Anbei schicke ich Ihnen ... という言い方をします。

内容を書き終えたら、日本語と同じように締めの表現を使います。何かをお願いするときに一番スタンダードなのは、

  • Vielen Dank im Voraus.
  • Vielen Dank für Ihre Aufmerksamkeit.
  • Ich würde mich über Ihre Rückmeldung freuen.

などです。これもメール内容によって様々なバリエーションがあります。

 

メールの最後には、挨拶(Grußformel)署名(Unterschrift)を忘れないようにします。王道は、

  • Mit freundlichen Grüßen
  • Viele Grüße
  • Beste Grüße
  • Liebe Grüße
  • Gruß

などです。一番スタンダードなのはMit freundlichen Grüßenです。宛名と同じで、好まれる挨拶も会社のしきたりや個人によって変わります。ここで注意すべき点は、挨拶はドイツ語新正書法では大文字で始めることと、挨拶の後にコンマを置かないことです。挨拶の後に、署名として自分の名前を書きます。Siezenの関係性ならフルネームを、duzenなら名前だけを書くことが普通です。

 

個人的にすごく難しいと思うのが、宛名と挨拶のカジュアルさの度合いです。ドイツの会社では、上下関係なくduを使うところが多いので、どちらかというとカジュアルなメールの書き方をするところが多いです。私の大学ではあまりフォーマルすぎる表現を好まない先生もいます。逆に、お堅い教授なんかは宛名にProf.と書き忘れただけで返信しないという噂もあります。

一番確実と言われているのは、相手のスタイルに合わせることです。私の個人的な使い分け方は、知らない人なら最初は一番フォーマルな形で始めて、返信が来て向こうのスタンダードが分かればそれに合わせることです。ちなみに私の大学の先生は、こちらからSehr geehrte ... で始めても総じてLiebe Frau ... で返ってきます。

最初のころは、教授にLiebe Frau ... なんて書いていいのかなと思っていましたが、聞いてみたところ別にこだわりがない人も多いみたいですね。すごくlocker(ゆるい)だな~と思います。

 

さて最後に本題の上達のコツですが、とにかく実践すること、これが一番の近道です。特に、ネイティブとやり取りをするうちに自然といろんな言い回しを覚えることができます。あ、いいな、と思う表現があればどんどん真似していきましょう。

メールに関しては、必要に迫られて書かないといけない場面も多いので、完璧に書こうと思う必要はゼロです。なので、失敗を恐れず、基本に気を付けながら回数をこなしていってください。外国人が相手なので、よほどルールを無視しない限りひどい目に遭うこともそうありません。

他におすすめなのは、ドイツ語の例文集をインターネットで漁ること。今日はいろんなキーワードをドイツ語で紹介しましたが、それらをBeispieleやTippsといったキーワードとともに検索するといろんなサイトがヒットします。また、周りに頼れる母語話者がいる際には、こういうことを言いたいんだけどどういう風に表現するのが一番かな~なんて聞いてみるのも非常に役に立ちます。

 

ドイツ語と付き合っていくうえで避けられないメールですが、これをマスターするだけでドイツ社会でもうまく立ち回れるようになります。変な風になっちゃって落ち込むことも日常茶飯事のメールですが、心臓に毛を生やしてどんどんチャレンジしていってほしいです。

 

それではまた☺

 

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