ドイツゴサイコウ

ドイツ語の仕組みについて再考するブログ

【ドイツ語の変遷】zu Hause の e

みなさんこんにちこんばんは。今日も少し時事ネタを絡めたドイツ語情報をお送りします!今回のテーマは、最近よく聞くフレーズ "Bleiben Sie zu Hause!" についてです。

 

Zu Hauseという言葉は、もともと 三格支配の前置詞 zuと、中性名詞の Haus からきています。でも、この e がどこから来たのか不思議に思ったことはありませんか?

実はこれ、決まった格では名詞に語尾を付け足すというルールと大きく関係しています。言い換えると、二格(Genetiv)の s や、複数三格(Dativ Plural)の n と全く同じ仕組みなのです。des Hauses, den Häusern のように。

今はなくなってしまいましたが、昔のドイツ語には、複数だけではなく単数三格(Dativ Singular)の単語にも e という語尾がつくというルールがありました。例えば、dem Hause のように。現代のドイツ語ではこのルールは淘汰されてしまいましたが (dem Haus)、このルールが残ったフレーズもあるのです。例えば、zu Hause や im Falle、im Sinne など。これらの単語に共通しているのは、すべて前置詞の作用で三格になっているということです。

ちなみに、zu Haus という言い方も許容されるのは、現代ドイツ語文法からすれば単数三格の名詞に e が付かないのは当然だからです。でも、文語的に好ましい書き方は、zu Hause のようです。zuhause という風に繋げて書かれる場合もありますが、Duden は新正書法に則った zu Hause という書き方を推奨しています。ここまで様々なバリエーションが発生するのは、頻繁に使われる単語ならではのこと。

 

普段フレーズ内の格を意識することは少ないですが、細かく分析してみると、いろんなことがわかって面白いですね。

 

このブログでは、今回の記事のように、普段意識しない規則を紐解いていくことを目的としています。

それではまた☺

 

にほんブログ村 外国語ブログ ドイツ語へ
にほんブログ村