ドイツゴサイコウ

ドイツ語の仕組みについて再考するブログ

Hueberの謎 ― ドイツ語の伸ばし棒?

みなさんこんにちこんばんは。非常にご無沙汰しております。さて、今回はドイツ語学習者なら誰でも一度は出くわしたことがあるであろうドイツ語教材の大手出版社Hueber社の読み方について短く考察していこうと思います。

 

みなさんは、この社名の正しい読み方が分かりますか?私は、つい最近までずっと、フーバーなのか、ヒューバーなのか、はたまたフエバーなのかずっと疑問に思ったままでした。

ドイツ語の先生とかCDはフーバーと言っていた気がするし、でももしかしたらウムラウト代わりのueかもしれないし、でもひょっとしたら二つの音節かもしれないし…。
この長年の疑問が、ドイツ語の音韻論を学習しているときにようたく解けることになりました。

 

正解を言ってしまうと、フーバー社なんです。これは、uの後のeが、ウムラウトの代用ではなく、例外的に長母音を示す役割を担っているからです。言ってしまえば、dieのeと同じ役割を果たしていることになります。このような役割を果たす文字には、他に、wohlのhなどがあります。
eとh以外に長母音をマークする文字には、他にcがあります。これは、ごく稀に北ドイツで見られるもので、代表的な例に、Mecklenburgがあります。なのでこの地名、北ドイツの方言では、メクレンブルクというより、メークレンブルクという風に発音されるんですね。
このような役割を果たす文字を、音韻論では、Dehnungszeichenといいます。日本語でに訳すと、伸ばし記号とでも言いましょうか。日本語で言う伸ばし棒と同じ役回りですが、普通の文字で表される分、"ー"よりもずっと見分けづらいですよね。

 

さて今回も非常にコアな話題になってしまいましたが、楽しんでいただけたならうれしいです。
ドイツ語の母音の長短の文字表記の規則も、すごく複雑で面白いテーマなので、いつかこのブログでも取り上げる予定です。

 

それではまた☺

 

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