皆さんこんにちこんばんは。今日は、語学学校で求められる言語能力について説明していこうと思います。
外国語を勉強するときに求められる基本能力は、4つに分けられます。これは、①読む力、②聞く力、③書く力、④話す力です。ゲーテ・インスティテュートの試験やTestDaFを受けたことのある方なら、よく目にしたことのある概念だと思います。基本的に、この4つの能力をバランスよく習得するのが学習の目標とされています。
さて、この4つの能力と密接に関係しているのが、a)書き言葉と話し言葉の違い と b)能動的・受動的な能力の違い です。図にするとこんな感じ。例えば、①読む力は書き言葉と受動的な理解力、④話す力は話し言葉と能動的な能力と密接に関係しています。
書き言葉 geschriebene Sprache |
話し言葉 gesprochene Sprache |
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受動的 Passive Fähigkeit |
①読む力 Lesekompetenz |
②聞く力 Hörkompetenz |
能動的 Aktive Fähigkeit |
③書く力 Schreibkompetenz |
④話す力 Sprechkompetenz |
この4つの分野をバランスよく習得することが目標とは言うものの、理想と現実の間には大きな壁があります。
語学学校時代、私は、読み取りや書き取りは得意でも文を書いたり話したりするのは苦手でした。この表に当てはめてみると、圧倒的に①/②の受動的能力が③/④の能動的能力を上回っていたんですね。同じような状況にある学習者の方も本当に多いと思います。
理由は単純で、受動的に何かを理解して解釈するのは必要な単語の意味さえ分かってしまえば比較的簡単だからです。(少なくとも語学学校レベルの文章なら。。)
しかし、能動的(=アクティブ)に言語を使えるようになるには、文法をはじめ、適切な語彙選択・テキストの構造・発音・周りの状況などなど様々なことに気を使わないといけなくなります。
さて、③書く能力と④話す能力を比べたとき、私は話すことの方が圧倒的に苦手でした。なぜなら、話すことは書くことと違って修正が効かないし、素早さが足りないと聞き手に飽きられてしまって会話が成り立たなくなるから。純粋な言語的負担もかなり多いのに、心理的プレッシャーがかかる状況と立ち向かう能力を求められるのは、結構きついものがあります。
だから、2回受けたTestDaFで2回とも口頭試験で3をもらって、大学の入学が危ぶまれた過去もあったりします(笑)。幸いDSHでは口頭試験が免除になったのですが、そうでなければ確実に落とされていた自信があります。
もちろん、学習者個人がその言語を使って何がしたいか、というのも学習を進めるにあたってとても大事な要素です。例えば、文献を集中的に読まないといけない人は①読む力が必要だし、ドイツで現地人とコミュニケーションを取るには②聞く力と④話す力が同じくらい大事だし。
言語には様々な役割があるので、ドイツ語圏で生活するには結局この4つの能力全てが大切になります。でも、4つの能力のうちどれかが悪かったとしても、日常で言語を使うことによって練習ができて自然とバランスが取れるようになったりもします。
自分の弱点に気付くのも大事ですが、それを欠点として捉えるのではなく、まだまだ伸びしろがある分野だと思うと楽な気持ちでドイツ語と向き合うことができるんじゃないかな~と思います☺
次回からは、この4つの能力と、ドイツ語の構造の関わりについて考察していこうと思います。それではまた!