ドイツゴサイコウ

ドイツ語の仕組みについて再考するブログ

外国語習得に必要な4つの基本能力⑤ 会話力編 

皆さんこんにちこんばんは。今日は、外国語習得に必要な4つの能力シリーズのラスト、話す力(=以下、会話力)について書いていこうと思います。

 

会話力は、ほかの三技能と比べても断然習得しづらい能力だとわたしは思います。なぜなら、他人とのコミュニケーションを伴う話し言葉の中で、能動的にドイツ語を組み立てることが求められるからです。このために必要になってくるのが、瞬発力と心の強さです。

 

話す行為には、基本的に相手との対話という側面が付きまといます(レコーダーに自分のドイツ語を吹き込むTestDaFの口頭試験を除いて)。会話の中で相手の言っていることを理解しつつ、自分の言いたいことを組み立てて口に出すのは、母国語ではすごく簡単な行為でも、外国語になったとたんものすごくハードルの高いことになります。

なぜなら、ドイツ語で話すためには、自分の持っているドイツ語の知識を総動員しつつ脳みそをフル活用させないといけないから。使いたい言葉をドイツ語で探りつつ、文法にも気を付けて、かつ発音と話す速度と相手のリアクションに気を遣う…なんて、考えただけで頭から煙が出そうになります。

 

 

さて、外国語で話すときに決して忘れていけないのは、最初からすべてを完璧にできる人はいない、ということです。いままで母国語でしか話したことがないと、言葉を話せない自分という存在に戸惑い、話せないことで会話相手に馬鹿にされているような気分になることがあります。でもいままでやったことができないのは当たり前だし、思っているよりも自分のことを理解しようとしてくれるドイツ語話者も多いものです。

 

話す行為を少しでも楽にするためにできるいくつかのことがあります。例えば、発音の練習を徹底的にすること。いちいち頑張らなくても、ちゃんと意味が伝わるレベルの発音(例えばLとRの区別、ウムラウトなど)をできるようになることで言っていることが伝わりやすくなります。

また、作文のために習うような難しい構文を使わないこともすごく大事です。ネイティブの話し方を観察していると、複雑な文は話し言葉では使わないんですよね(これは話し言葉の特徴で、よく研究されているテーマでもあります)。できるだけ簡単な文法を使うことを意識することで、ドイツ語の文章を組み立てるハードルが下がるはずです。

意味を伝えるには、最低限の人称代名詞、格変化、人称変化のようにA1~A2で習うようなことができれば大丈夫です。これがある程度できるようになったら、今度は次のレベルで習う複雑めな時制などを使ってみるのもいい練習になります。

 

外国語で話しているとどうしてもやりがちなのが、自分の文法の間違いを過度に訂正してしまうこと。でもこれは、個人的にはそんなにおすすめしません。なぜなら、日常会話レベルで文法にこだわる人は少ないうえに、視点が文法に移ってしまうことで話の腰が折れてしまうから。ネイティブスピーカーをよく観察していると、彼らもなんだかんだ言ってよく文法を間違えたりしています。これは、ドイツ人に限らず日本人でもどの言葉の話者でも同じです。だから、ドイツ語なんて間違ってなんぼ、くらいの軽い気持ちで話す方がかえって楽になります。

 

最初からドイツ人と話すのはかなりハードルが高いので、自分と同じか、少し高いレベルのドイツ語を勉強している他の学習者と話すのも、ものすごくいい練習になります。お互い同じコースなどに通っているとお互いを助け合いながら話せるので、何人でもいいから同志がいることの利点を使ってみてください。

あとは、自分と同じくらいのレベルの日本語を話せるドイツ語のネイティブのタンデム(語学パートナー)と一緒に練習するのもためになります。ネイティブだからこそ知っているような表現を教えてもらえるのは、タンデムの一番のメリットだと思います。

 

遠回りにはなりますが、個人的におすすめなのは、いろんな人とドイツ語でチャットしてみること。特に発音や会話そのものが苦手な人には、面と向かっての会話くらいの速度はありつつ文字を媒介してコミュニケーションを取れるチャットは心強いかもしれません。

 

さて、会話力を習得するのは至難の業ではありますが、考え方を変えることで楽になる部分も大きいと多いと思います。ドイツ語習得への道は厳しいですが、いろんな人と会話したときに自分の言いたいことが伝わる感覚は、何にも代えがたいものがあります。語学学習の醍醐味ともいえるこの瞬間を味わうために、皆さんもがんばってください☺

 

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