ドイツゴサイコウ

ドイツ語の仕組みについて再考するブログ

ドイツ人の書く文字について

私の母は、達筆です。子供のころは母の字が全く読めなくて、母がどうやって自分の字を読んでいるのかいつも謎でした。大人になった今、ようやく暗号みたいな母の字を解読できるようになりました。

母のおかげで日本語の手書き文字を読む力はそれなりに鍛えたつもりでしたが、ドイツ人の手書きの文字には太刀打ちできません。私の周りのドイツ人は、私の母よりも強烈な字を書くからです。デジタル化が進んだ時代とはいえ、手書きの文字を目にする機会はたくさんあります。大学や学校での板書、誕生日にもらうメッセージカード、おしゃれなレストランのメニューなどなど。読むのに時間がかかって、友達に文字が読めないと思われるのはなかなか恥ずかしいです。(笑)

普段使われる手書き文字(=Handschrift)ですが、見た限りでは個人差も大きく、特に統一した書き方もなさそうな印象があります。私は中学校で英語の筆記体を習ったのですが、それとも若干違う感じがするし。ドイツ人は小学校で手書き文字や筆記体を習うらしいのですが、そのための教科書があったらぜひ読んでみたいなーと思っています。

 大学の同期の授業内容のメモを見る限り、ドイツにはまるまるした字を書く人がすごく多いです。スムーズに読めるようなブロック体とは少し違うけど、筆記体でもない、ちょうど二つの書体の中間みたいな文字。この字を見ると、あードイツ人だな、と思います。

 

 さて、ドイツ語の書体にはもうひとパターンあって、これをブロック体(=Druckschrift)といいます。銀行の送金用紙、郵便の住所記入欄、市役所関係の書類など公的な機関で記入する用紙には大抵「ブロック体で記入してください(=Bitte in Druckschrift ausfüllen)」と書いてあります。

私はドイツに来た当時この意味がよく分からなくて、どの書類も全部大文字で記入していました。日本では、カタカナかひらがなかくらいの違いしかないので、この指示の意味にようやく気づいたとき、ちょっとしたアハ体験でした。

 

個人的な憶測にすぎませんが、アルファベット圏出身の人たちにはなめらかな文字が書ける人が多い気がします。逆に、アルファベット以外の文字の文化(日本、韓国やアラビア語圏など)から来ている人たちは、ブロック体を多用した書き方のせいで外国人とばれたりします。大学の試験や匿名のアンケートは、ドイツ人じゃないことを大声でアピールしているような感じになるので、今でも少し苦手です。

アルファベットに慣れていなくて丁寧な書き方になる分、自然と文字を褒められる機会が増えることはアピールしておきます。ノートをチラ見してくる大学の同級生には必ず「きれいな(=Ordentlich)文字を書くね」と言われます。母の遺伝子を引いて"達筆"な私が、日本では言われることのなかった褒め言葉です☺

こうやって海外に住んでいると、自分の新しい面を常日頃から発見できますね!

 

にほんブログ村 外国語ブログ ドイツ語へ
にほんブログ村