ドイツゴサイコウ

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(非)分離動詞の前綴りについて 中編

みなさんこんにちこんはんば。今日は、一昨日の記事、(非)分離動詞の前綴りについて 前編 - ドイツゴサイコウで紹介した前綴りの再考ポイントの一つ目、前綴りが付く動詞の意味についてについて書いていこうと思います。

 

昨日は、前綴りの代表的な意味を紹介しましたが、前綴りの意味から単語全体の意味を推測できる動詞はごくごく一部に限られます。これは、語彙化(=Lexikalisierung)という現象と関係しています。これは、前綴りと幹動詞がそれぞれ本来の意味を失って、一つの新しい意味を表すことです。前綴りが付く動詞は、大まかに生産的な動詞、語彙化した動詞の二種類に分けることができます。

 

 面白い例に、ausgehenという動詞があります。この動詞には「外に出る」という意味のほかに、「憶測・推察する」という意味もあります。

 

「外に出る」という意味は、aus-という前綴りからausgehenという動詞の意味をある程度読み取ることができます。このaus-のように、特定の意味を表し、様々な動詞と組み合わせることのできる前綴りを生産的な(=produktiv)前綴りといいます。

例えば、aus-という前綴りはausgehenのほかにauswandern(=別の国に移住する), austreten(=協会などから退会する)というように、「外に出ること」と関係しています。また、aus-という前綴りには「外に出ること」以外にも「終わり」、「静けさ」という意味があります。このように、生産的な前綴りを付けてつけて作る動詞のことを、生産的な動詞と呼びます。

 

さて、「憶測・推察する」という意味は、ausとgehenという組み合わせから当てるのは難しいですね。こちらの例が語彙化に当たります。前述のように、aus-(=外)とgehen(=行く)という本来の意味が失われて、一つの単語として意味を成すようになった動詞のことです。

 他の例として、auffallen(=気づく、分離動詞)、unterrichten(=授業する、非分離動詞)、entsprechen(=対応する)などがあります。

 

このように、前綴り自体の意味が抽象的なこと、一つの前綴りにたくさんの意味があることに加えて、語彙化によって特定の意味を表す動詞が多いことから、前綴りごとの意味を覚えてもあまり意味がないといわれています。

 

さて、明日は(非)分離動詞の二つ目の再考ポイント、文法についてご紹介します。それではまた明日☺

 

追記:続きはこちらから!

(非)分離動詞の前綴りについて 後編 - ドイツゴサイコウ

 

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