ドイツゴサイコウ

ドイツ語の仕組みについて再考するブログ

(非)分離動詞の前綴りについて 後編

みなさんこんにちは。今日は、過去二回に渡って考察してきた(非)分離動詞の前綴りのまとめです。

前回の記事についてはこちらから:

(非)分離動詞の前綴りについて 前編 - ドイツゴサイコウ

(非)分離動詞の前綴りについて 中編 - ドイツゴサイコウ

 

今日のテーマは、前綴りが付くことによる目的語の変化について。目的語といっても、いろいろあります。4格目的語、3格目的語、再帰代名詞、前置詞句などなどたくさんあります。

例えば、schenkenという動詞は、普段4格目的語(何を)と3格目的語(誰に)と組み合わせられます。しかし、ver-という前綴りが付くと、4格目的語だけを目的語として取るようになります。このように、動詞がいくつの目的語と組み合わせられるかの決まりを動詞の結合値(=Verbvalenz)といいます。

 

be-のように、この前綴りが付くと4格目的語を取るようになる、と決まっている場合もあります。例として、beschenken、bekommenのような動詞があります。

 

学習者が頭を悩ませるテーマの一つに、動詞の意味ごとに目的語の種類・格が変わることも挙げられます。

昨日紹介したausgehenという動詞ですが、「外出する」という意味の時には単体で使われることが多いです。(しかも、この場合大抵「デートする」という意味になります。)しかし、「推測する」という意味の時には、von前置詞句と組み合わせるという決まりがあります。

例: Ich gehe heute mit Hanna aus. 

      今日はハンナと出かける。

      Ich gehe von einem Versehen aus.

      たぶん間違いだと思う。

 

ドイツ人と話していて、ich gehe davon aus, dass ...というフレーズを耳にした方も多いのではないでしょうか。このフレーズのvonという前置詞をaus やmit と入れ替えられないのは、この決まりと関係しています。

 

このように、前綴りが付くと動詞の構造自体が変わってしまうこともたくさんあります。これも、分離・非分離動詞の意味は一つづつ覚えた方が早いといわれる理由です。

 

さて、しょっぱなからコアなテーマになってしまった考察記事ですが、楽しんでいただけたなら幸いです。それでは!

 

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