ドイツゴサイコウ

ドイツ語の仕組みについて再考するブログ

【ドイツ語音韻論】母音を振り返ってみる

みなさんこんにちこんばんは。今日はこのブログのタイトル通り、ドイツ語について再考していこうと思います!今日の記事は、基本の発音をマスターした中から上級までの学習者に参考にしてもらえることを目指しています。

 

ドイツ語の母音といえば、複雑そうな台形の図を見せられてなんとなく尻込みしたことがある人も多いんじゃないでしょうか。今日は、なかなか授業で取り上げられることのないドイツ語の長・短母音の意外な違いにフォーカスを当てていきます。

 

皆さんご存知の通り、ドイツ語には、a、i、u、e、oという5つの母音のほかに、ä、ö、üという3つの母音があります。顔みたいでかわいい見た目の割に、日本人にはなかなか聞き取りづらいといわれるウムラウトですね。これらの母音の発音の仕方はこれまでもいろんなブログや教材で取り上げられてきたテーマなので、今回は省略します。

 

これらの8つの母音には、日本語と同じように短い母音と伸ばす母音があります。その時注目してほしいのが、同じ母音でも短母音と長母音ではそれぞれの発音がほんの少しだけ違うこと。一番わかりやすい例を挙げると、BettとBete。近くに母語話者がいる方は、eの部分を強調して読んでみてもらってください。Bettの中のeは、日本語のエのような感じ、対してBeteの最初のeは、日本語のイのように聞こえるのではないのでしょうか。

 

音声学の専門用語では、この違いをGespanntheit(緊張)と呼びます。ドイツ語では、短母音はいわゆるungespannter Vokal(= 弛緩音)、長母音はいわゆるgespannter Vokal(= 緊張音)という性質を持ちます。Hütte/Hüte、Mutter/Mut、Rotte/rotという例を見てみてください。どの例でも、同じ文字を使うのに、実はよく聞いてみると少しだけ違う音なのです。

 

ただし、aとäの二つだけは、緊張性の違いがありません。なので、短母音のa/äと長母音のa/äには、発音的な違いがありません。Wall/Wahl、Hände/Mädchenの中にあるa/äは、それぞれ母音の長短以外を除けば同じ音です。

 

ドイツ語を長く勉強している人で、言っていることは伝わるけどなんとなくドイツ人っぽい発音にならない人は、この母音の小さな違いにフォーカスしてみると少しだけ印象が変わるかもしれません。

 

さて、今日は母音の種類についてさっと説明しましたが、次回はあまり存在が知られていない曖昧母音について書いていく予定です!

それではまた☺

 

追記:次の記事はこちらから!

 

 にほんブログ村 外国語ブログ ドイツ語へ 

にほんブログ村