ドイツゴサイコウ

ドイツ語の仕組みについて再考するブログ

言葉の壁

みなさんこんにちこんばんは。お久しぶりです。大学のオンライン授業が始まったり、リモートワークをしたりして少しブログから離れていましたが、またぼちぼち更新を再開しようと思います。慣れないことはやっぱり疲れますね~。さて今日は、外国語学習にはつきものの、語学力の悩みについて触れていこうと思います。

 

突然ですが、私は去年の七月、ドイツに来て一番のクライシスに陥りました。きっかけは、外国から来た大学生の大学の卒業率と語学力の関係についての講演を聞いたこと。講演では、語学力の高さがやっぱり卒業と密に関係しているという内容だったのですが、なんとなく、カウンターパンチを食らったような気持ちになりました。自分でも驚いたのですが、急に涙が止まらなくなって。

後から考えてみると、大学に通い始めてからドイツ人の先生や周りの学生が示した反応を思い出してフラッシュバックのような状態になったからかなあとも思うのですが。何度か書いてきましたが、私には憧れだった歴史学科から転科した過去があります。

もう四年半も前のことですが、大学入学当時に感じたのは、底知れない絶望感でした。語学学校と違って、先生の言っていることすらろくに理解できず授業についていけない。授業中も、質問も意見もうまく言葉に出せなくて議論についていけない。そのせいで全くの能無しと思われて、まともに取り合ってももらえない。私が言葉に不自由なことが分かると、たいていのドイツ人学生は話が通じないと思い離れていく。たまに英語で話しかけられるけど、英語もろくに話せない。でも、ドイツ語でそれを説明する能力もない。当時の私は、言葉通りコンプレックスの塊のようなものでした。今まで問題なくこなせていたことが急にできなくなるのって、ものすごくストレスがたまるんですよね。ましてや、高校でも語学学校でもいわゆる優等生タイプだったからこそ、急に落ちこぼれになったショックは計り知れなくて。

 

この当時の、何とも言いきれないもやもやを、自分で同じ状況を経験したことのない言語学者がただ分析して、「勉強についていけないのは語学力が足りないから」なんてすごく乾いた結論を出していて。海外での大学生活にはそれだけじゃなくもっと何重もの苦悩、特に心理的な面でのダメージが付きまとうのに、それすら考慮されていなくて。あなたに何が分かるのって怒りと、言葉ができないってだけで能力がないと決めつけられる悔しさと、いろんな気持ちが入り交ざって泣いてしまったのだろうと、あれからずっと経った今ならそう思うことができるのですが。

 

でも同時に大切なことにも気づくことができました。それは、今の私はもう大学に入りたてで右も左もわからない弱い私ではないということ。ここに来るまでに、周りに認められるよう努力を重ねて、自分の世界を切り開いてきたこと。

当時から数年経った今なら言えるけれど、どんなに地獄のように見える環境でも、自分の動き次第でいつかは変えられます。一度の失敗がすべてを決めてしまうなんてことはなくて、ゆっくり時間をかけて、それを自分にも許してしぶとく生きていれば、徐々に、でも確実に状況は改善していきます。これだけは皆さんに伝えたいのです。

 

私はというと、あの状況から脱却するために、大学付属の語学センター(Sprachenzentrum)のドイツ語コースに通いまくりました。これまでずっと勉強してきたのにまたー?と思ったりもしたけど、学術ドイツ語は特殊なので、大学で出くわす言葉のスタイルに特化した語学の授業を受けて損することはありません。なにより、外国人だから取り合ってもらえないなんてことがなくて、自己肯定感が上がるので超おすすめです。

他には、シラバスを見て、他学科の授業を覗いてみるのもありだし、なんなら転科も簡単にできます。また、日本語を勉強したことのあるドイツ人と話すと、語学的に遠い言葉を勉強して日常生活で使うことの大変さを分かってくれる人も多いです。いろいろ説明してくれる現地人の友達ほど心強いものはないから、すごくいいですよ。忘れがちだけど、似たような悩みを持つ日本やドイツ以外からの留学生と話すと、悩みを抱えているのが自分だけじゃないことが分かるのでそれも役に立ちます。あと、どの大学の国際課にも、学生サポートの機関があるはずだから、情報を集めてとにかく助けを求めることも大切です。

 

もしも、たった今ドイツの大学に通いながら四苦八苦している人がいても、それはごく普通のことであり、自分を責める必要はないということを忘れないでください。逃げるという選択肢を選ばずに、残って戦い続けている自分をほめるのもいいですよ。でも、本当にだめなら放棄する勇気もあっていいです。自分を守るために。この記事で紹介したように、転科や、ドイツ語コースに特化することなど、いくらでも選択肢はあります。

 

言葉の壁を感じても、どうか落ち込まないで。

 

過去の気持ちを清算するために、少し暗い記事になってしまいました。でも、不幸自慢がしたかったのではなく、いつかはつらい時期にも終わりが来るということを示したかったことをご理解いただけると嬉しいです。次回は、私が今自分のドイツ語を捉えているかについて書いていこうと思います。

 

それではまた☺

 

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